カスタム抗体作製サービス

ウサギモノクローナル抗体

ウサギ由来の組換えモノクローナル抗体は、新しい可能性の源であり、研究用や診断用アッセイにおける高感度免疫検出のニーズに対して優れた性能を提供することができます。更に、ウサギ抗体は治療用モダリティとしての試みも進んでおり、既に医薬品として実用化されている例もあります。

ウサギ抗体は、相補性決定領域(Complementarity Determining Region:CDR)内のアミノ酸の数がマウスよりも多いことが特徴であり、そのため高い多様性を生み出すことができます(マウスH鎖のHCDR:~15アミノ酸、ウサギH鎖のHCDR:~20アミノ酸)。抗体結合親和性は、平行解離定数(KD)で表され、KD値が低いほど、親和性が高いことを意味しています。

マウス抗体はKD値がナノモルレベル(10-9 M )ですが、ウサギ抗体の場合はピコモルレベル(10-12 M)に達することがあり、これにより抗体の親和性向上(Affinity Maturation)は不要になります。また抗体の熱安定性が高いことも報告されています。

Abwiz Bioの組換えウサギモノクローナル抗体は、独自のRabWizTMテクノロジーを用い、ウサギが持つ109~1011もの抗体遺伝子を抗体ライブラリとして利用し、多様なパニング・スクリーニング法により目的抗体を高精度に選抜することで生み出されます。独自のWizAmpTM法(U.S. Patent 9,890,414)により、バイアスを掛けずに抗体遺伝子を増幅させることが出来るため、従来法よりもクローニングの精度を飛躍的に高め、遺伝子ライブラリーのカバレッジを最大化することに成功しています。また、マウスでは非免疫原性の抗原に応答する抗体を得ることが可能です。

ウサギモノクローナル抗体の作成は、従来難しいとされてきました。ウサギ抗体は、Fabの軽鎖領域に独特なジスルフィド結合を持っています。この構造は大腸菌を用いた抗体発現過程で有害な作用を及ぼし、遺伝子をクローニング出来ても抗体取得ができないという大きな障壁になっていました。Abwiz Bioが独自開発したクローニングベクターは、大腸菌での発現にバイアスがかからないよう特殊なエンジニアリングが施されており、重要抗体の取りこぼしの可能性を最小限に抑えています。これにより、多様な抗体遺伝子ライブラリをFabで発現させ、多彩な方法でバイオパニング・スクリーニングを行うことが可能です。Fabの利点として、scFvのようにダイマーやトリマーといった構造をとる事が無く、アフィニティーベースでのスクリーニングを可能にします。勿論、個々のクローンのシークエンス解析が可能であり、ヒト化抗体の作成など、目的クローン取得後の抗体エンジニアリングに応用いただけます(Abwiz Bioにてヒト化抗体の作成も承ります)。

ウサギ抗体のメリット

  • 幅広いエピトープを認識(幅広い抗体の取得)
  • 小さな分子に対しても高い特異性(高い免疫タイター)
  • 立体構造をきめ細かく認識できる(修飾の変化など)
  • 典型的にピコモルレベルの親和性を持つ

RabWizを用いたこれまでの成功例

  • リン酸化、メチル化、グリコシル化タンパク質に対する抗体
  • 低分子化合物(ホルモンなど)に対する抗体
  • ウイルス株特異的な抗体 (SARS-CoV-2 vs. SARS-CoV)
  • イディオタイプ抗体の作成
  • G protein-coupled receptor (GPCR)に対する抗体の作成

尚、Abwiz Bioの抗体作成テクノロジーは、ウサギに加えて、マウス、リャマ、アルパカ、ヒトで実績があります。Abwiz Bioは、お客様が求めるパフォーマンスを満たす、高親和性抗体の作製に貢献いたします。

注文フロー(標準作業内容)

お客様との入念な打ち合わせのもと、作業を開始いたします。

まずは下記問い合わせフォームより、お問合せください。AbwizBio技術者との日本語での打ち合わせも、お気軽にご用命ください。

※Step3完了後、任意の発現ベクターで全長IgG発現が可能な抗体遺伝子配列を納品いたします。
※Step4はオプション設定です。

抗体作製の概要

動物免疫とファージディスプレイを組み合わせて作製いたします。

【詳細】

3羽のウサギに動物免疫を行い、血清評価により抗体価の上昇を確認します。最も高い抗体価を示した個体よりTotal RNAを抽出し、WizAmpTM法にて抗体遺伝子を増幅し、クローニングします。抗体L鎖遺伝子、H鎖遺伝子を独自のファージミドベクターに組み込んで抗体ライブラリを作成し、ファージディスプレイ法にてFabを発現させ、3~4ラウンドのバイオパニングを行います。バイオパニングの条件は、お客様との打ち合わせに基づき詳細を決定します。

ヒットした候補クローンは、コロニーとして単離後、可溶性FabのフォーマットにてELISA、SPR等による評価、また細胞を使ったFACSによりスクリーニングを行います。ご要望に応じて、候補クローンの可溶性Fabを評価用サンプルとして送付可能です。

作業完了後、お客様へ作業レポートをお送りし、最終的に納品するクローンを決定の上、任意の発現ベクターに組み込んで抗体発現が可能な抗体遺伝子配列を納品いたします。

実施例

▷Rabwiz™テクノロジーによる抗体の豊富なバラエティー

大腸菌でのウサギ抗体発現を可能とした独自開発のファージミドベクターを用いることで、免疫後の抗体レパートリーを最大限に発現させることに成功しています。

▷Rabwiz™テクノロジーによる抗体の評価例

膜たん白質のウエスタンブロッティング解析

市販抗体(マウスモノクローナル抗体)では、目的分子が検出がされず非特異が多い場合も、Abwiz Bio社ウサギモノクローナル抗体は、特異的に検出された。

リン酸化4E-BP1のフローサイトメトリー解析

市販抗体(ラットモノクローナル抗体)に比べ、Abwiz Bio社の抗体では、市販抗体に比べ、特異的に目的分子が検出された。

最新の抗体作製実績例はこちら

お問い合わせ

抗体受託サービスについてご質問がある方は、こちらからどうぞ。

フォームが表示されるまでしばらくお待ち下さい。

恐れ入りますが、しばらくお待ちいただいてもフォームが表示されない場合は、こちらまでお問い合わせください。