KP293 type 2 Expression medium 技術情報

HEK293細胞用 一過性発現用培地

本製品は、ヒト胎児腎細胞由来293細胞(例:Expi293F細胞, 293T細胞等)の浮遊培養用の培地です。 293細胞を利用した組換えタンパク質発現等の発現・生産にご利用いただけます。安定した継代培養が可能であり、高いトランスフェクション効率を実現します。

特徴

  • 国内の当社工場で製造(Made in Japan )
  • リポフェクション法やポリエチレンイミン法を使ったトランスフェクションが可能
  • 化学的組成が明らかな無血清培地
  • 動物由来成分・タンパク質不含

製品コード 製品名 用途 容量 貯法 希望小売価格
29335 KP293 type 2 Expression medium 一過性発現用培地
(HEK293細胞用)
1000 mL 2~10℃
暗所
19,000円

使用説明書 プロトコル SDS リーフレット

本品で発現させたタンパク質例

  • 分泌型アルカリフォスファターゼ
  • PLXDC2細胞外タンパク質(分泌、ヒト型、マウス型)
  • SARS-CoV2タンパク質3種類(NP, ORF 3b, ORF8)

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実施例

  1. 培地性能評価 (Expi293F細胞)

培地性能評価 (Expi293F細胞)

表記の条件で、本培地(KP293 type 2)および比較用培地(Medium A)で培養した。
培養3日目には3×106 cells/ml以上の細胞増殖が認められ、10継代安定して培養できた。

Polyplus® の FectoPro® transfection kit を用いて、GFP Plasmid をトランスフェクションした。GFP の発現細胞数はフローサイトメーターで測定した。
トランスフェクション後 24 時間及び 48 時間の蛍光イメージ図。
24 時間後には 76.5%、48 時間後には 87.7%のGFP 発現率が認められた。

表記の条件で、トランスフェクションを行い、培養 3 日目および 5 日目の IgG の発現量をOctet QKe システム(Protein A)で測定した。
本培地を用いた場合、3 日目には 90 mg/L 以上、5 日目には 140 mg/L 以上の IgG の発現が認められた。


参考資料

  • Nakagawa M. et al. (2023) Electrophoresis 44:1446-1460.
  • Sakuma C. et al. (2022) Biotechniques 72:207-218.
  • Arakawa T. et al. (2022) Methods in Cell Biology 169:67-95.
  • Nakagawa M. et al. (2021) Int J Biol Macromol 189:869-878.
  • Sakuma C. et al. (2021) Int J Biol Macromol 172:589-596.
  • Sakuma C. et al. (2021) Int J Biol Macromol 166:1106-1110.
  • Li C. et al. (2020) 151:885-890.
  • 荒川 力、芥 照夫 (2021) 生化学 9:566-572.

FAQ

Q1. 本品にグルタミンは含まれていますか?


本品は、L-Alanyl-L-Glutamineを含有しておりますので、別途L-Glutamineの添加の必要はありません。

Q2. 他の培地からの馴化(アダプテーション)は可能ですか?


プロトコルに馴化の方法を記載しておりますので、そちらをご覧ください。

Q3. 本品で実績のある細胞株は?


Expi293F、293T細胞です。今後、実施例を増やしていく予定です。

Q4. 保管上の注意点はありますか?


本品は、冷蔵、遮光条件で保存してください。

Q5. どのようにすれば購入できますか?


当社代理店からご購入いただけます。代理店については下記フォームよりお問い合わせください。


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